デザイン案
応力解析

近年、社会の様々な場面においてユニバーサルデザイン化が推進されている。この四半世紀で、1993年「障がい者基本法」を始めとしたいくつかの法整備も進み、ユニバーサルデザイン化は大きく進展したことは事実である。しかし現在のユニバーサルデザインの中には、機能面を優先するあまり外観や素材において周囲との調和に欠けている設計も多く見受けられる。このことから現代におけるユニバーサルデザインは、従来の「できる限り多くの人が利用することが出来るデザイン」という概念に加えて、個々の利用者に合わせたニーズを取り入れることが必要だと考えられる。
そこで、今回の研究では従来の「できる限り多くの人が利用することが出来るデザイン」という概念に加えて個々の利用者に合わせたニーズを取り入れるというコンセプトのもと実験を行った。実験内容は「車いす利用者が使いやすく、居住空間と調和する」ダイニングチェアのデザイン案の選定と、 自ら選定したデザインが実際に座れるかどうかの強度試験である。この二つの実験から得た結果をもとに考察を行い、従来の介護用椅子との差別化を図った。